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Column

コラム

Pickup Creators

2022.04.02

Vol.22

目指すは、チームの発信力を上げる「顧問編集者」のような働き方

編集者・ライター 原田麻衣子

|プロローグ

 

「書くこと」を身近に感じながら育ってきたという、ライターで編集者の原田麻衣子さん。ジャンルに捉われず、様々な場所でそこにあるサービスや人の魅力を伝えています。神戸出身で神戸在住、そんな原田さんの人となりや今後取り組んでみたいことを聞いてみました。

 

|なんとなく憧れていたことが、いつのまにか仕事になった

 

―神戸で生まれ育ったとお聞きしました。書いたりすることは、小さい頃から好きだったのですか?
原田:書くことについて、好きとか得意という認識はありませんでした。でも、私の父はもともとライターだったので、文章を書くことや雑誌を作ることに、かっこいいなという漠然とした憧れはありましたね。

―書く仕事を志した最初のきっかけはありましたか?

原田:学生時代に、神戸新聞社の本社でスタッフライターのアルバイトをしていました。会社が運営するブログを書いたり、神戸市内のイベントやカフェに行って取材記事を書いたり。大変なことも多かったのですが、工夫しようって気持ちで続けていました。

―就職もそのままライターや編集者というお仕事ですか?

原田:はい、今はもうないんですけど、神戸にフリーペーパーの会社があって、そこで編集兼営業補佐のような仕事を2年半しました。その後、憧れていた出版社の京阪神エルマガジン社に転職して。神戸、大阪、京都の関西圏を中心に、街のディープな話から飲食店や暮らし、旅のことまで、いろんなジャンルで雑誌やムック本づくりに携わりました。私は編集担当だったので、企画案を出して、ライターさんやカメラマンさんを手配して、時には自分で書いたりもして。雑誌1冊の舵取りをしていました。

―4年ほど京阪神エルマガジン社に勤務して独立したそうですが、その当時はどんな気持ちだったのですか?

原田:いつかは独立したいという思いがもともと強く、私の性質的にも組織に属することは向いていないとも感じていました。でも、チームでの働き方を知らないままでは独立はできないと考えていましたし、自分で手がけた本が世に出るという貴重な体験をさせていただいた、とても濃い時間でした。そしてフリーランスになることで、さらに幅広い仕事に携われることが楽しみでした。

 

 

 

|ジャンルレスに飛び込んできたからこそ

 

―今は独立してライターや編集の仕事をされていますが、自分の強みや得意分野はどんなところにあると思いますか?

原田:それがいまだにないような気がしていて…。言いたいんですよ、私の強みはこれって。でも、ある意味で今の状態も強みなのかなって最近思い始めています。何でもやりますよ、と。振り返ってみて思うのは、難しい話を誰にでも分かりやすく伝えてくれるとか、柔らかいタッチで書いてくれるって依頼してくださる方が結構多いのかなと思っています。

―日々の仕事の中で、意識されていることはありますか?

原田:私はやっぱり取材がベースやなと思っていて、お話させてもらっている時間が一番重要です。それがないと書けないし、その取材の時間が面白ければ面白い記事になりますし。もうそれしか考えてないかもしれないです。現場でいかにその人から聞き出すかってことしか考えてません。

―そうした姿勢が、いろんな取材に呼ばれるきっかけなのかもしれませんね。

原田:そうだったらうれしいです。例えば営業時間中でドタバタしている飲食店で聞くとかもありました。かと思えば銀行の副頭取へのインタビューや、5歳くらいの子に話を聞くようなことも。その場がどんなところで、失礼のないよう、相手を尊重しながら取材をしたいというのはいつも意識していることです。

 

 

 

|1年で間もなくフォロワー7000人。PRを担って感じた強み

 

―最近関わったお仕事をいくつか教えていただけますか?

原田:2021年に初めて発行されて好評だった、尼崎市が手がける市のブランドブックがあります。尼崎の若者に焦点を当てた第二弾の取材を担当したのですが、そこで尼崎に住んでいるめっちゃ石好きの男の子とか、ママチャリで四国まで行ってる子とか、何かに夢中になっている若い世代の取材をしました。それから、大阪のとある市からの依頼で、市を知ってもらうための雑誌作りに携わったり。神戸に住んでいても、神戸じゃない案件が多いかもしれません(笑)。

―ライターとは別の形で、お店の広報をお手伝いしているとお聞きしました。

原田:神戸のパン屋さんの広報を担当しています。SNSの更新やプレスリリースを発信するところから、取材記事を作るところまでいろんなことを担っています。ベーカリーバカンスっていうお店で、2号店はオープンして1年経たずにフォロワーが7000人弱まで増えてきました。オープンしてしばらくは個数制限や入場制限しないといけないくらいの人が来てくれて、手応えを感じましたね。

―フォロワー数を闇雲に増やすのではなく、集客にきちんと繋がっているのがすごいですね。

原田:出し方はめっちゃ考えて工夫しています。例えばプレスリリースを書くにしても、どういう言葉を使ったらメディアに読んでもらえるかって、自分がメディアにいたからこそ分かること。取材陣を迎え入れる側として、お店のコンセプトや強みをプレス側にお伝えしたり、試食会を開いたりとか。そういうことをしているうちに、PRする仕事もすごい楽しいなって思い始めています。中の人になるというイメージですね。

 

 

 

|書いて終わりではなく、「顧問編集者」としてチームの中へ

 

―これまでの経験が重なって、原田さんの武器になっているんですね。今後、こんなことをやっていきたいということはありますか?

原田:社長さんの想いや考えを言葉にして、お客様やそこで働くみなさんに伝えるということをやってみたいですね。顧問弁護士ならぬ、「顧問編集者」という役割があってもいいのかなと。ある神戸のヘアサロンでは、サロンや組織づくりのアイデアや、失敗談を含む社長の過去の話なんかをnoteに更新したり、集客の文言をアドバイスしたり、社員さん向けに文章の書き方講座をしたりしています。

―顧問編集者って面白い言葉ですね。

原田:社内報とはまた違う形かもしれないけれど、会社の代表の考えを言葉にして発信する。社員の方が読めば、「うちのトップはこんな想いがあるのか」と改めて気づくきっかけにもなると思いますし、それは会社の核を強くすることにも繋がると思います。また外部の人が見たら、会社のことを深く知ってもらうツールにもなるため、社外のファンづくりにも繋がると思います。顧問編集者はそうした役割を担えるのではないでしょうか。

―言葉を使って、社長さんや会社のメッセージを内と外へ発信するということですね。

原田:そうですね。社長さんの言葉を直に聞くことで、例えば制作物を作ったりすることもスムーズにできると思います。

―そんなポジションって意外とないですよね。

原田:書くとか編集することって、これからは特に重要になってくると思うんですよ。どんな人も、どんな会社も絶対熱いエピソードを持っていて、それが一番の宝物なんです。それをしっかり聞き出して、喋っていた本人が実は新しく気づいたりとか、そういうことができたらいいですね。

―ありがとうございました。最後に、お仕事の活動エリアのイメージはありますか?

原田:神戸の仕事はしたいです。やっぱりなんだかんだ神戸が好きでここにいるんだなって。これまでやってきた取材経験を活かして、お役に立てることがあったらうれしいですね。

 

原田麻衣子

1988年兵庫県神戸市のニュータウン生まれ、神戸市在住の神戸っ子。関西学院大学文学部卒後、関西の出版社にて雑誌の編集として勤務後、2017年春独立。大手企業、大学、商業施設、行政関係、飲食店などの制作物やPR、ブランディングに携わっている。
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