デザイン・経営一体化推進事業

神戸市では、都市戦略「デザイン都市・神戸」の取り組みの一環として、デザインの力を活かした産業の振興に取り組んでいます。
その取り組みとして、デザインの力で経営を変える「経営・デザイン一体化推進事業」では、ものづくり中小企業とデザイナーをマッチングし、経営戦略にデザインの視点を取り入れるプロセスを体験する実践型事業を行っています。
このたび、当事業の参加企業のうち1社が、企業課題の解決に向けてデザイナーと共に店舗デザインに取り組み、新店舗がオープンすることになりました。

●企業課題とデザインを活用した解決策

「いづよね」らしさとは?

数回の打ち合わせと店舗訪問で企業の強みを分析しました。
【社長】「お米を通じて笑顔のハブになる」
1.お米にかける情熱。 2.玄米で難病を克服された実体験。3.落語の様な、米話の面白さ。
【従業員】
1.社長に負けないお米への愛情。2.お米を語れる知識。3.親切丁寧な笑顔の接客。
【店舗】
1.種類豊富な日本全国のお米の在庫。2.精米仕立て販売。3.お米に関係するこだわり商品の豊富な品揃え。

「いづよね」=「笑顔の米語り部」

「気取った今風のカッコいい店」ではなく「真心が売り物、庶民に親しまれる楽しい店」と考えました。
まず、社長の印象から思いついたのが「ビリケンさん+大黒さん」の様なゆるキャラクターお米の神様「いづよねさん」。お店は神社の米倉。従業員さんは「お米参り」に来た人に「お米話を伝える」お米の神様の使いの物語。
その後、神様よりも身近で親しみやすいお祭りの要素を取り入れたいと考え、面白可笑しく語る「噺家・芸人」と「寄席小屋」と「お客さん」の物語へとコンセプトを変更しました。

居心地の良い笑顔の(あきない=商い)場づくり

店内は寄席のイメージと共に店舗を横断する長い舞台の様なカウンター。「セミナー」「ギフトの相談」「精米時の待ち場所」「社内会議」などマルチ活用し「お米のコミュニケーション=お米の情報発信」で笑いと笑顔が絶えないお米噺を語る「場:檜舞台」。
物を売る場ではなく、従業員さんが個性を活かしタレント(噺家)となり、お客様に幸福を提供する「場:笑顔の檜舞台」。
外観は遠くからでも目を引く「寄席小屋」のイメージと、現在は未設置ですが、インスタやSNSでの発信も考え、石像「米の噺家・いづよねさん像」設置のプランも進行中。街のランドマーク、地域住民に愛される名物店、視覚的にも一般顧客を集客できる店としてデザインしました。

●新店舗の概要

グランドオープン:令和2年3月28日(土)
所在地:神戸市灘区記田町2-3-18
WEBサイト:https://genmai.shop/

●経営・デザイン一体化推進事業とは

企業とデザイナーをマッチングし、経験豊かなプロデューサー指導のもと、企業訪問やヒアリングを通して、企業の経営戦略の土台を作ります。
企業の抱える課題を解決しイノベーションをおこす「デザイン経営」の考え方を用いて中小企業が経営戦略にデザインの視点を取り入れ、最終的に参加企業ごとに必要な分野にデザインを活用し、企業の課題解決や強みを伸ばすことを目指します。
令和元年度は10企業と10人のデザイナーからなる10ペアが企業課題の解決に取り組みました。
ウェブサイト: https://demo.kobecreatorsnote.mixhost.cloud/wp/project/?projectcat=design
|講  師|近藤 清人(株式会社SASI DESIGN 代表)
|対象企業|BtoB(法人向け)を主な業務とする中小企業の経営者または後継予定者
|主  催|神戸市