2019.12.25
12月18日、神戸の企業とクリエイターのコラボレーションを生み出すラボラトリー的トークイベント「CROSS」が「キイトナイト」とのコラボレーション企画として開催されました。
第2回目となる今回のテーマは、「クリエイティブチームの作り方-神戸市ふるさと納税の事例から-」。今年の9月より始動した神戸市の取り組み「ふるさと納税集中PR業務」を事例に、クライアントである神戸市と業務に携わったクリエイター達が集まりトークセッションが行われました。
今回はゲストとして、プロジェクトマネージャー寺田愛さん(graf)、6名のディレクターの中から今津修平さん(MuFF)、濱部玲美さん(KUUMA)、神戸市から高槻麻帆さん(税制企画課)、竹野嘉朗さん(広報課)、全体パンフレットで編集を手掛けた竹内厚さん(Re:S)、そして司会に統括ディレクターの岩本順平さん(DOR)が登壇されました。
業務に含まれる9つのプロジェクトに対して、6名の担当ディレクターが付き、全体マネジメントとあわせて約30名のクリエイターがチームを組んで取り組んだ体制について、高槻さん(神戸市)は「神戸のふるさと納税について神戸のクリエイターを中心に取り組めたのは非常に理想的だった」と語ります。
それぞれのプロジェクトに担当ディレクターがついたことで、クライアントからのオーダーを聞くだけではなく、実際に現場に足を運び生の声を聞くことで客観的な課題抽出や目標の設定ができ、それぞれのプロジェクトにあったターゲット設定やアウトプットツールの制作ができたそうです。
濱部さんはプロジェクトを進めるにあたって、「クライアントと同じ目線に立ち、自分ごととして関わることが大切。時には長い目で見て、このプロジェクトがどのようになっていけば自分は関わりたいかも考える」と話していました。また、建築家の今津さんは、「神戸医療産業都市」の担当ディレクターになったことについて、「自分の仕事の領域ではないものに取り組めるのは非常に新鮮で自分の可能性を模索する機会になったと同時に、芸術的な知識不足から反省も残るディレクションだった」と語りました。このことについて竹内さんも、「いろんなジャンルのクリエイターと協働した今回の案件は自分の仕事の幅を広げるチャンスだったがやはり簡単ではなかった。自分の幅は仕事ありきで広がるものだから、専門外のことも挑戦することが大切」だと強調。
最後に岩本さんより、「今回の案件のようにプロポーザルされている事業は、例え実績がなくても自分の事業規模で賄えなくても、他の事務所とタッグを組んで挑戦することもできる」と提案がありました。
トーク終了後には、質疑応答の時間が設けられ、こうしたクリエイティブチームに加わっていくためには?という質問が上がりました。これに対し、濱部さんは「まずは知っていることが大前提。その上でデザインの方向性で決めたり、プロジェクトへの想いに共感してもらえる人を選ぶ」と回答。また、岩本さんも「出会っていない人にお願いをするのは難しいため、クリエイターが集まるイベントや場所に顔を出すようにしている。ただ知っているだけではなかなか依頼に踏み込めないので、事業実績などをウェブサイトで見られるようにしておくことは大切」だと回答しました。
別会場にて開催された交流会では、cross vol.1で出会った初対面のクリエイター同士がその後一緒に仕事をしているという嬉しい報告もあり、トークを聞くだけではなく人との出会いが生まれる場なのだと改めて感じました。
次回vol.3は2020年1月21日にKIITOの2階、ステージフェリシモにて開催されます。テーマは「企業、クリエイター、街を想う人が集い作る課題解決の新たなインフラ」。面白法人カヤックの柳澤大輔さんとCREATORS MATCHの呉京樹さんの貴重なトークを聞くことができます。