Pickup Creators

2019.10.27

暮らしのバックヤードを支え、遊び心も織り交ぜる

SQOOL 一級建築士事務所 鈴木 俊彦

個人住宅を設計、手書きの間取り図で提案

 

個人住宅の設計を手掛けてます。僕のやり方は、お客さんの声に耳を傾け、それをかたちにしていくこと。どんな暮らしをしているのか、どんな夢があるのかを徹底的に聞き出し、受け止め、取捨選択し、そして膨らませて提案します。

EARTH HOUSE

 

 

提案の際には、僕自身が手書きした間取り図、断面図を、お客様へのお手紙のつもりで渡してます。そのなかにお客さんの思いをどう落とし込んだのか言葉を添えたり、光が差し込む方向を書き入れたりして。

見た目のデザインだけでなく、暮らしやすさ、遊び心も大切に

 

印象に残っている仕事の一つが、独立して間もない頃にリフォームの設計をした「EARTH HOUSE」。1人暮らしの施主さんが非常に多忙な方で、家事をする時間がなかなか取れないとのことだったので、干した洗濯物を入れて、畳んで、収納するまでを一連の動線の中に収めスムーズに済ませられるように考えました。

また、別棟を趣味の陶芸スペースにしたいとの思いを受け、解体時に出てきた石積みの斜面をそのまま生かした「崖のアジト」。いずれも見た目のデザインだけでなく、暮らしのバックヤードを支える機能、そして遊び心も大事にしています。

崖のアジト

 

世界最大の建築作品展への招待出展が決定

 

わたしは住宅メーカーから独立したのですが、個人住宅の設計で実績を積んでいくのには時間がかかります。自分のことを知ってもらうためにコンテストでの受賞実績を積んでいるほか、建築した住宅を投稿できる「houzz」というポータルサイトを活用して、自分の作品を世界中の人に発信しています。

「houzz」に掲載された作品が高い評価を得て、メディアで取り上げられることも増えてきました。世界最大の建築作品展「ヴェネチアヴィエンナーレ」のスタッフの目にも留まり、2020年5月から開かれる同展に招待出品が決まりました。冒頭で紹介した手書きの間取り図、断念図とともに家の写真を展示し、僕らしい表現で見てもらおうと考えてます。

 

多様なものが融合している神戸だからこそ

 

小学校6年生から住んでいるまち。むしろ神戸を離れることが考えにくいですね。適度に都会で自然もあって、大阪や京都へもすぐに足を延ばせます。仕事で敷地を見にいく時は遠足のような気分になれますし、プライベートで遊んでいても建築のヒントが得られたり、と仕事と生活の境目がない毎日を送っているので、神戸のようにいろいろなものが融合している街は居心地が良いのだと思います。

兵庫県立美術館

 

 

今年5月にオープンした兵庫県立美術館安藤ギャラリー(中央区)にはよく足を運びます。20歳の時に安藤さんの本や作品に触れて刺激を受け、建築設計の仕事を目指すきっかけとなりました。テンションが下がった時、ギャラリーを訪れるとまた頑張ろうと思えます。神戸で刺激を受ける場所と言えば、箱木千年家(北区)もあります。日本最古とされる民間住宅で、訪れるたびに様々なヒントが得られます。

いつか神戸で幼稚園や小学校の建物を設計するのが夢です。子どもの心、身体をはぐくむために器は大事な要素。過ごしていて楽しいと思える建物を考え、つくりたいと思ってます。