2024.01.21
■ 特集「美術の中の物語」
兵庫県立美術館の所蔵するコレクションの中からテーマに沿って作品を展示する「特集」。今回は美術と物語をテーマとした展示を行います。
物語と関わりのある作品は、現在まで数多く制作されてきました。わかりやすい例としては、神話や聖書、歴史上の事件の一場面を題材とした絵画作品があげられるでしょう。また、小説の挿絵などテキストと深く関係した作品や、作者個々人の関心から出発し、独自の物語を立ち上げる作品など、物語と美術の関わり方は様々です。本展では、物語と関係の深い美術作品を部屋ごとに異なった視点から紹介します。美術と物語の多様な関わりを本展から感じていただけますと幸いです。
また、同時期開催の特別展「生誕120年 安井仲治展」に関連して、当館所蔵品を中心に日本近代の写真作品を展示します。
会期|2024年1月13日[土]-4月7日[日]
※ 会期中一部展示替えを行います
■ 小企画「呉昌碩の世界 -海上派と西冷名家-」
清末から中華民国時代に活躍した呉昌碩(1844~1927)は、「清朝最後の文人」といわれています。生涯にわたって古代文字である石鼓文の臨書に励み、その風韻を書・画・篆刻に結実させました。古拙な味わいを内包した運筆は一世を風靡し、現代にいたるまで人気を博しています。生誕180年を機に開催する本展では、呉昌碩の名品を中心に、その師友や子息、また交流のあった海上派の芸術家たち、呉昌碩が初代社長を務めた西泠印社の創始者である呉隠・葉銘・丁仁・王禔とこれに続く諸名家の作品を展示します。
当館は、近年、書家・篆刻家の梅舒適(1916~2008)が収集した中国文物(梅舒適コレクション)を受贈しました。呉昌碩の熱烈な愛好者であった梅舒適は、100点を超える書・画・篆刻作品を手中に収め、その多彩なコレクションは国内外に知られています。また西泠印社名誉副社長を務めた梅舒適と現代の西泠名家との交友を伝える作品は、中国近代美術史のみならず日中文化交流史を検討するうえでも重要な意義を持つと考えます。呉昌碩ならびに親交のあった文人・書画家たち、作品に影響を受けた次世代の作家を紹介することで、呉昌碩が果たした功績とその影響を顕彰します。
会期|2024年1月13日[土]-4月7日[日]
前期:1月13日[土]-2月25日[日]
後期:2月27日[火]-4月7日[日]
※ 前後期で作品を展示替えいたします
会場|兵庫県立美術館
休館日|月曜日
※ただし2月12日[月・振休]は開館、2月13日[火]は休館
開館時間|10:00〜18:00
入場は閉館30分前まで
主催|兵庫県立美術館
協賛|公益財団法人伊藤文化財団、サンシティータワー神戸(ハーフ・センチュリー・モア)、兵庫県立美術館「芸術の館友の会」
特別協力(常設展示室6のみ)|国立文化財機構文化財活用センター、東京国立博物館、京都国立博物館
詳細は、公式サイト「コレクション展」ページから。