マッチング事例

2020.08.01

【ものデザインコラボLAB】開発事例:スポーツ用品店 ヤノスポーツ(ヤノ運動用品株式会社)

神戸でサッカー、野球をはじめ、テニス、卓球、水泳、バスケットボール、バレーボールなどスポーツ用品全般を取り扱うお店として営業していました。3年前からランニングショップとしてリニューアルし、1階はランニングシューズ兼カフェ、2階はランニングウェアやバッグなどのアイテムを揃えています。また、この店舗ではランニング教室やイベントも行っており、ランナーがこのお店を訪れればすべて事足りる場所をつくりました。

 

その流れで店舗自体をブランド化し、PBをつくり最終的にはスポーツブランドのSPA化を目指しています。

 



 

■インタビュー

Q:コラボラボに参加したきっかけを教えて下さい

 

店舗をリニューアルし、イベントを通じてお客さまとつながり欲しいアイテムや要望、お声をたくさん頂いている中で、つくりたい商品の企画も出来てきたため本格的にSPA化に取り組み始めましたが、つくったオリジナル商品がうまく売れませんでした。
また店舗だけではなく、自社ECサイトでも販売していきたいので、より自社プロダクトのブランディングやストーリーづくりが大切だと感じていました。そういった状況で神戸市の方からご紹介頂いて参加することを決めました。

 

Q:実際にコラボラボに取り組まれた内容について教えて下さい。
1年目:
「自社分析」と「競合チャート」をつくり自分たちがいまどこにいてるのか確認しました。
そこからポジショニングマップを通じてどこを目指すのか考えました。
次に「SWOT分析」に取り組み、主に「強み」と「機会」を洗い出して
現状の把握と目標の設定を可視化することができました。
また同時に課題も見えてきました。主に3点です。
・認知度が低い
・小ロット生産ができない
・デザイン力が足りない

この課題に対して自社の強みである「エンドユーザーの方とつながりが深く近い」
ことを活かして日本発のコンセプトでものづくりがしたいと考えをまとめました。
そこから自社ブランドのコンセプトを再設定しました。
商品企画:
ポジショニングマップで見据えることができた「日常生活の中でランニングを楽しむ、楽しめるモノ」を念頭に考え、ランニングウェアで
・ガウチョパンツ
・ランニングでつかえるスウェット
・バックパック
etc…
ターゲットも走って記録を出したいというよりも美容と健康に気を使っている人をイメージしてブランドイメージマップも練り上げました。

2年目:
改めてSPAブランドの整理を行いました。
parppy:「ランニングを楽しめるブランド」30〜40代が対象
RJ:「都会的でランニングをかっこよくスタイルに取り込んでもらうブランド」
この2ブランドの展開でオリジナル商品をつくりたいとまとめました。
開発する商品は、RJブランドにふさわしいランニング兼バックパックに絞り込みました。

ターゲットもいろいろ考えましたが、改めて考えると自分自身がターゲットであると思いました(笑)

ランニングで使うためには、軽量で揺れないことが大切で、
ビジネスシーンでは、濡れない(=防水)や背中の位置がずれないこと、
小物をきちんと収納できるようにバックインバックも考えました。
そこから試作しスタッフがランナー目線で微調整を繰り返しながら、
最終的に完全防水で揺れないバックパックができました。

Q:最終的にどのような結果になりましたか?
商品はつくれたのですが、このままでは売れないので、
きちんとこの商品を知ってもらって良さを届けたいと考え、
クラウドファンディング「Ready for」に挑戦しました。
また、このクラウドファンディング効果を上げるために
動画作成にも取り組みました。
ここでも商品のポイントを考え
「1,揺れない」/「2,防水」
をテーマにシナリオからきちんと作成し、実際に撮影し動画を
クラウドファンディングだけではなくSNS等でも拡散しました。
プレスリリースも配信し、神戸新聞にも取り上げて頂き、最終的に
クラウドファンディングでの目標も達成し、成功に終えました。

Q:参加して印象に残ったことはありますか?
ランナー目線は持ち合わせていたが、異業種同士の集まりだったので、
お互いに意見交換したり商品のアイディアを出し合ったりすることで、
それ以外の目線を取り入れることができ、実際にコラボレーションして
商品開発にも取り組むことができました。
梅香堂さんとカフェ用のプロテイン入ワッフルや
ハートスフードクリエーツさんとランニング大会でのお弁当、
店舗で利用するアロマミストなどコラボラボの参加事業者と
たくさんコラボレーションしました。
Q:今後自社でどのように生かしていきたいと考えていますか?
いまも社内で新しく商品開発に取り組んでいるのですが、
まず競合リサーチからポジショニングマップをつくることからはじめています。
目指したいポジションを見据えることで次にいけるようになりました。
商品を企画してつくるだけにとどまらず、情報設計が大切だということも学びました。
あとはもっともっと店舗を利用してくださる方や
この店舗のファンを増やしたいと考えています。